固定式ミラーの一眼レフCanon EOS RT
「デジカメプリント 写真のフロンティア」店長・加藤です。
ソニーのα33とα55は、固定式の半透明ミラーを搭載した「スピード一眼」で、一眼レフではないのですが、キャノンのEOSの中に同じような構造を持った一眼レフカメラが有りました。
EOS10QDが発売される前年(平成元年)に、それまでの主力機EOS630を改良した”EOS RT”が登場しました。
EOS RTは、固定式のペリクルミラーを採用して撮影時のブラックアウト(像が消える)をなくして写る瞬間の画像を見る事が出来るものでした。
ミラーが上下に動くことによるショック(微妙なカメラの揺れ)が無いのと、リレーズタイムラグ(シャッターボタンを押してから、シャッターが反応するまでの時間の遅れ)が極めて少ない等の長所が有りました。
EOS RTの”RT”とはリアルタイムの頭文字で、リアルタイムレリーズを売りにしていました。
逆に短所としてはレンズを通ってきた光が、ファインダーにも導かれるため約2/3の明るさで撮影しなくてはなりませんでした。
他の一眼レフカメラと比べ遅いシャッタースピードでしか写せない等の弊害がありました。
キャノンはその後、同様の固定式ミラーを搭載したプロ用の一眼レフEOS-1N RSも発売していました。
一昔前の事になりますが、このEOS RTを愛用されているお客様がいらして電池交換の際等にカメラを店に何度かお持ちになり、私も実際に手で触れたこともあります。
当時からEOSと言えば”一眼レフ”でしたし、事実EOS RTも間違いなく一眼レフカメラでした。
そのため、α33/α55を見たときも一眼レフであることを疑わなかったのですが、このαの場合は固定式ミラーで反射して導かれた光はファインダーに導くものではない(AFセンサーに導く)ので一眼レフの定義から外れるとの事の様です。
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