20年前の近未来予想③
「デジカメプリント 写真のフロンティア」店長・加藤です。
「91 来年は、こうなる!」の3回目です。
7、カラーDPE(フィルム現像+プリント)の需要は基本的にカラーフィルムの
消費・出荷本数と連動するため、今年(90年)も約9%の伸びだった。
EやLサイズだけでなく、大伸ばしプリントやポストカード、シールプリントなども
順調な伸びを続けている。使いきりカメラやコンパクトカメラの堅調な伸びもあり、
DPEは来年も2ケタ近く伸びそうである。しかし取引窓口や、ミニラボ店の
増加を考えると一店舗あたりの売上げアップは出荷数字のようにいくとは限らない。
8、今年、メーカー各社から相次いで10万円前後の”パーソナル”向けのFAXが
発売されたが、来年にかけて家電製品並みの販売がされるだろう。
電話回線開放の73年から販売台数が増え企業向けの導入が進んできたが、
その間に機能の向上と価格が急激に低下した。現在は中小企業や商店に
FAXが普及し約470万台が稼動している。そしてISDNなどデジタル通信網の
整備に伴い大手企業のFAX需要が高速・高画質のG4規格に移行しつつある中で、
現行のG3規格の製品が家庭・個人への導入を各メーカーが志向し始めた。
個人向けの最も安い、既存の電話機に接続して使う物は7万9800円。
FAXもついにここまで来た。・・・と、家庭への普及を予測していますが、FAXより
一足早くコードレス電話機が人気を集めて急成長を見せていました。
9、90年のDATは助走程度に終わった。通産省の行政指導があり、夏から
SCMS(シリアルコピーマネジメントシステム)方式のDATが登場したが価格が
高かったこともあり9万台程度にとどまった。CDプレーヤーの場合、需要に火が
付いたのは一部のメーカーが5万円を切る製品を発売したからであった。
したがいDATが本格的に立ち上がるために、何時どの位の価格で登場するかに
注目が集まっている。91年が”DAT元年”になることをCD関連機器が伸び悩ん
でいるオーディオ業界は期待しているが、年間需要は25万台前後になるだろう。
10、来年(91年)こそ「カラー複写機元年」と呼ぶに相応しい年になりそうである。
カラーコピーショップやカラーラボ等のプロユース向けPPC市場で独走していた
キャノンに、ミノルタとリコーが追撃を開始したが、コニカと富士ゼロックスも参戦する
模様である。さらに銀塩写真方式の富士フィルムやイルフォードも仕上りプリント品質
の良さで根強い需要を確保しそうである。また一方のオフィス向け市場では
白黒&カラーの松下とリコー、ブラザー、シャープ等が低価格で攻勢をかけ、東芝も
熱転写式で戦いに加わりフルカラー複写機の動きは非常に活発である。
写真店のニュービジネスとしてミニラボと併設する店舗も増えそうである。
デジタルPPCはコンピューターとシステムを組める事で加工編集や色変換が出来る
ことから、写真店での画像編集のソフトサービスが新たな利益源になる期待されている。
確かに当店ではこの後、富士フィルムの「ピクトロスタット」を導入致しました。
これは、ネガがなくても写真の焼増しが出来る機械で、元の写真と比べても
遜色のないプリント(紙の厚さも同等)が仕上がりました。ネガをなくしてしまった、
または人から貰った等の写真からの注文、昔の白黒写真からの注文、または
観光地で団体で撮影した集合写真からの注文を受付けたり、日付の入った台紙と
お客様の写真と合わせて写真入りのカレンダーを仕上るサービスを行っていました。